発達障害が流行ってる?

2020.11.26

最近、テレビやネットの情報でADHDやアスペルガー症候群に当てはまる特徴を解説したサイトをよく目にします。注意力散漫とか多動性だったり、時間に無頓着、怒りっぽい、、それを見てると「いくつか自分も当てはまるなぁ」と思うのです。

最近よく見る発達障害専門チャンネル

動画配信サービスでも発達障害の専門チャンネルが、最近わっさわさ開設されて、登録者数も伸びてるところから推測すると、同じように共感したり、心配してる人は多いのかな、と思います。

テレビ、動画配信サービス、SNS、書籍。(書店に行ったら平積みですよ!)

そりゃそうでしょう。

時間に遅れたり、怒りっぽい、集中力がないことが発達障害の特徴だとすると、それらに悩んだことのない人なんていないんじゃないですか。

「私も発達障害の一人かも?」と心配して当然です。

それと、芸能人の何人か「自分も軽いADHDと診断された」と公表しています。そうすると、特別なものから身近なものへ感じられるようになったのではないでしょうか。

 

正常の人が希少?

ネットや書籍では煽ってるようにしか見えないんですが、発達障害の基準が曖昧なんですよ。だって、世の中には、怒りっぽい人とか、嫌味な人とか、他人と違うことを好む人、ルール守れない人、おっちょこちょいの人なんて、周囲見渡したらいくらでもいますよ、そんな人。そんなこと言い出したら犯罪者なんて皆、発達障害じゃないか、となるでしょう。それは個性ではなく発達障害なのか?まともな人(正常)の方が希少なんじゃないかと思います。

 

どんな人が発達障害なの?

最近、発達障害と取り沙汰されているのも、コロナ禍で円滑な交流ができない環境の中で、「人間関係うまくいかないのは発達障害のせいなんだ」と割り切って、スッキリしたい人が多くいるのも背景にあると思います。でも、発信する側のメディアやネットの情報を鵜呑みにするのもどうなのかなぁ、と。

かなり基準が曖昧で、「軽い発達障害」って、なんだそりゃ!?ですよ。どっちなんだ、って話です。曖昧な基準で診断されたら、私なんて完全に発達障害ですけどね。

それでは、発達障害はどんなんだ?という問いに対して、「はい、こんな人です」という方々を紹介します。

実は、私の友人に真性のADHDがいます(本人が主張するので間違いないです)。あと、前社の社員でIT技術者のA君はアスペルガー症候群。この典型的な二人と自分を比較すると、自分は「彼らの一人」では無いのかなと思います。

 

ADHDの(自転車友達)ジテトモYさんの場合

このYさんは好奇心旺盛で語学も堪能。とにかく、頭の中の引出しが多く、話題が豊富で理路整然としているので、わかりやすく、面白い。

ただ困ったことに、周囲の気配りが著しく欠如している。まず、時間にルーズ。飛行機に間に合わないギリギリのところで「あ、これカワイイ、ちょっと買って行くわ」とか、待ち合わせ時間の10分前には「ごめん30分遅れる」と必ずメールが入る。

あとは、思ったことを平気で言っちゃう。「そういう言い方は失礼でしょ」「あの人怒ってたよ」っていうのが気にならない。というか、わからない。例えば、こんなことがあった。小樽の有名な「じゃがバター」のお店に入った時。出てきたじゃがバターは、ほっくほくで、すごく美味しい。でも、熱々じゃなかった。で、Yさんはお店のスタッフに温め直してほしいと頼んだ。するとスタッフは「特殊な蒸し器で蒸しているので、温め直すと味が落ちるのでできない」とお断りされた。私はそれを聞いて、「へぇ、蒸してるんだ。だから美味しいのか、ま、いいわ」。ところがYさん、なぜ温め直すと味が落ちるのか、納得いくまで説明しろと詰め寄る。これに困ったスタッフは「お代はもう良いので帰ってください!」こんなこと、何度もあった。

とにかく、普通の人は気にならない事にこだわりが強くて、納得いかないと相手が怯むまで徹底的に追い込む。餃子屋さんで「マスクなしの入店禁止」に詰め寄るのに似てるww。

頭が良くて、話題も豊富なのに、なんだか残念だ。かと言って、私も口論になるのは、面倒くさいので「また、始まった」程度にスルーしている。

 

アスペルガー症候群のA君

A君と出会ったのは、私が前社に入社した25年前。付き合いはかなり古い。

その頃から、彼は周りから一目置かれる優秀なプログラマーだった。ソフト屋さんにして、営業や打合せもできる。ハードの設計から製作も、企画書まで書いてしまう。複数のプロジェクトを同時に一人で抱えるので、納期前になると1週間会社に泊まり込んで寝食を忘れて、目の前の「複数」に没頭する。

このA君、まさに超人なのだが、普通の人が日常やっていることができない。例えば、掃除。出した物を元のところに戻すようなこと。あと、毎日お風呂に入るとか、挨拶するとか、決められた時間に出社するとか、口論にならないように会話するとか、その程度のことができない。

こんなこともあった。東京から新幹線に乗って京都で下車し、在来線に乗り換えて帰ってくる。これができない。普通は名古屋に到着したら、「あと30分、下車する心の準備」は、皆すると思うのだが、彼はここから、パソコンを開いて次の仕事にかかろうとする。そして気がつけば、「広島」。超過料金の旅費請求書に、なんど押印したことか。

私と彼は、主従関係があったので少しは気を使ってくれてたのかもしれないが、彼の部下になったら不幸だ。ほぼ全員が1年以内に辞める。納得のいかないことは徹底的に説明を求めるので、ほとんどは「もう、いいです。。」となってしまう。そこで、少し言いすぎたと反省することはしない。

 

面接にやって来た学生

ついでに、面接にやってきた学生の話をしよう。彼はある知人の紹介で面接にやってきた。

「ちょっと発達障害持ってるんだけどカタチだけでも面接してほしい」と口添えがあった。エントリーシートに彼の履歴書を添付して送れば、一流企業だって1次面接まではいく。1次面接までは。成績は優秀で資格も豊富で問題はなし。

ただ、面接の間、終始、「目が泳いでる」。こちらに一瞬たりとも目を合わさず、一片の笑みも見せなかった。人間関係が不器用な人は技術系には少なくない。

ただ気になったのが、数少ない会話の中でさえ、言葉の端々に嫌ぁなガサガサした感じを何度も受けた。質問しても、回答は、はぁ〜と消えるようなやる気のない感じで返ってくる。

 

人間は平等か?

彼らの持つ特殊な疾病?個性?どこに納めて良いかわからない。ただ、私が実際に彼らに会って感じたものは、ズバリ「頭が良い」。学歴やブランドに依存しない地頭の良さがある。論理立てた説明や話し方、複数の仕事を同時にこなす能力とか。また、会話は苦手だが、計算や数理に強かったりする。

人間は誰だって平等(特殊な場合は除くが)にできているのではないか。ということは能力が長けてる分、劣っているところもある、ということだ。

誤解を恐れずにいうと、海外に視力と聴覚に障害のあるミュージシャンがいる。私もファンの一人なのだが、彼が奏でる声や演奏は本当に美しく、心が揺さぶられる。また、10歳の自閉症の男性がいる。彼は突然奇声をあげたり、人と会話するのが極端に苦手だが、その記憶力は、5分間凝視した風景を繊細に描写したり、10年前の何月何日は何曜日といったことまで記憶する。他に例を挙げればきりがないのだが、世界のモバイルフォンを作った天才経営者は、感情の起伏が激しく、何かに没頭すると周囲を気にせず、トラブルは日常だったと言われている。

発達障害の正確な基準はよくわからないにしても、個性の範囲から逸脱した人はやはりいる。曖昧な基準で、「軽い発達障害」などとネットやメディア、あるいは心療内科で診断された人で、人に自慢できるような特技や能力のない人はどうすれば良いのか。

私だって、ひどくはないが忘れ物はする。苦手なやつの一人や二人いる。怒ることだってある。時間に遅れることもある。でも、人に誇れるほどの才能や能力は残念ながら、ない。これで「あなたは軽い発達障害」と診断されたら、オレはただのポンコツか!と言いたくなる。