2020.07.13
経営者が事業承継で悩む6つのこと
例えば下記のようなケース
先代社長は超ワンマン経営者で有名です。
御歳は今年で90歳!
毎朝、自宅から5Km離れた会社までジョギングするスーパーおじいちゃんです。
自社株75%保有してますが、周りの勧めもありそろそろ自社株を後継者に渡そうと思っていますが、
以下のような不安があります。
自社株の譲渡について
自社株を渡す方法は一般的に
①売買
②贈与
③相続
の3つ。
しかし、
①は、後継者に買取資金が必要。
②は、多額の贈与税がかかる
③は、相続発生時に相続人全員に株が共有されることになるので、
遺産分割協議により全員の同意が必要。
たとえ株を譲渡できたとしても、
①後継者が会社をうまく経営できない。
②譲渡後に後継者が死亡。
めんどくさいからといって、自社株をそのまま放置すると
①自社株のオーナーが事故や病気で意識不明になる場合も
②自社株のオーナーが、認知症になる場合も
自社株オーナー(代表取締役)が急な事故や病気で会社の意思決定がなされない状態になった場合は株主総会の決議や
代表交代もできず、代表印も押せないので決算処理や金融機関から新たな資金調達もできなくなるのです。
ふつう、多くの中小企業の場合、株主総会や取締役会を定期的に開催したり、日々の業務では便宜上ハンコは誰でも
押せるようになってると思いますが、
実はそれって私文書偽造というれっきとした犯罪なのです。
株式信託というスキーム
特徴
これまでは、自社株の所有権を渡す(100)か、渡さない(0)かしかなかったが、株式信託を利用すると、議決権だけを渡すことが可能になった
税金・費用
議決権を渡すにあたり、取得税や贈与税等は一切発生しない
経営権の維持
議決権を渡しても、先代社長の思うように指示できる権利(指図権)があるので経営権は維持できる
認知症対策
信託開始後、先代社長が事故や認知で意思決定がでいない場合は、この指図権も行使できなくなるが、後継者が議決権を行使し、会社経営のデッドロック状態を回避することができる。
不測の事態対策
信託開始後、後継者が死亡した場合はその議決権は元に戻る(信託契約の解除)が可能。
また、後継者の会社経営や方針に不満がある場合も信託契約の解除が可能。その場合も取得税や贈与税はかからない。
出典:事業承継協会大阪支部研修会より(2020年7月10日)