2020.08.04
私の以前の後継者仲間を思い浮かべると、
かなりの数でガソリンスタンドの息子が多かったのを思い出します。
地方の急激な高齢化やハイブリッド、EV化などの時代背景をとって見ても、
どちらかと言うと斜陽産業なのでしょうか。
地域で生き残ればいいと言う控えめな?ビジョンを掲げる2代目経営者が多かったり、
こんな仕事やってられんと愚痴ばかり漏らしてる後継者がいたり、本業以外で儲かってたり、
ガソリンスタンドも色々いるな、と客観的に見てました。
そういえば先日、セミナーで出会った彼も親の会社のガソリンスタンドを継ぐのをやめて、
コーチングやカウンセリングがしたいと言ってました。
色々ありです。
今回はガソリンスタンドの事業承継について考えてみたいと思います。
ガソリンスタンドの数は1994年度をピークにだんだん減少が続いてます。
資源エネルギー庁の調べによると、
最盛期6万カ所以上あった給油所数は3万70カ所と▲50%!半減です。
なぜそんなにガソリン需要が減ってるのか調べてみますと、
東京商工リサーチの調べによると、
2018年の倒産は35件と5年ぶりに前年を上回り、休廃業・解散も198件
とここ最近5年で最多です。
平成30年度末の国内のガソリンスタンドの総数が約30,070店。
5年前の平成26年度末33,510店から見ると、
10店に1店が廃業か閉店していることがわかります。
また、ガソリンスタンドの企業年齢は50年以上が60.5%を占めており、
1960年代のモータリゼーションに事業を興して今が成熟を越した時期と
言えるのではないでしょうか。
一方、創業10年以内は1.8%にとどまっており、新規参入は少ないですね。
人口減少が見込まれるほか、ハイブリッド車が普及し、都市部では車離れが進む環境で、
一定の設備投資が必要であり、新規参入の障壁は高いといえる業界なのでしょう。
仮に、私が今から新規事業起こそうと思ってもガソリンスタンドはしないですね。
上記のガソリンスタンドの企業年齢の中で、
なんと200年以上というケースが2017年段階で17社もあるんです。
その17社の中に400年以上という企業も含まれると言うから驚きです。
その400年以上の長寿企業は主力をそれまでの菜種油などの燃料商などからガソリンスタンド
に業種転換したところなんですね。
なるほど。
200年以上の17社は株主構成から分析すると、大半は同族企業です。
また取引先に官公庁や大手と契約しているところが多いほか、
不動産業などを兼務しているケースも目立ちます。
うーーん、よくわかる。
本業より不動産の方が儲かってたりする。
固定観念かもしれませんが、結構こういう方って青年会議所の理事長やってたり、
商工会議所の会頭だったりするので悲壮感はなく、むしろ金回りが良さそうに見えるのです。
こういった地元の名士的な老舗のガソリンスタンドは新規事業として高齢者向けの灯油や買い物の宅配、
修理・リフォーム関連、生活関連サービスなどに進出してるんですね。
菜種油からガソリンスタンド、そして高齢者向け灯油配達、宅配、リフォームなど、
地域の高齢化に向けた時代に適応した業種転換が生き残り戦略なんですね。