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社員がひき逃げした!?

2020.12.30

後継者

いつも通り、仕事をしていたら、

私に知らない男から電話がありました。

要件を聞くと、なんと、うちの社員がひき逃げしたというのです。

「あ、オタク社長さん?」

「わしオオタっちゅうんやけど」

「うちの娘がオタクの車に轢かれたんや」

「どないしてくれんねん!」

そのオオタという男の話によりますと、昨晩の9時頃、地元の公立高校から自転車で帰宅途中の娘が車にぶつかって転倒した。
そして、車はそのまま立ち去った。その時の娘の証言によると車のドアに書かれた会社名を記憶していて、我が社の車にぶつけられたと親に打ち明けたのです。

「はい、私、社長の玉林ですが、ちょっと事情の確認が取れてませんので、今すぐ調べて1時間後に折り返しお電話します。少々お待ち下さい。」

一旦、電話を切って、各部門長を集めました。昨日の夜9時に社用車を使った者は誰かを確認すると、1人、該当者がいました。

西井くん。仕事熱心だけど、お調子者で落ち着きがない。

彼は翌日の名古屋出張の準備で、遅くまで仕事をしていました。彼は明朝に名古屋に直行するという事なので、会社の車で帰宅しました。本来は翌朝会社に来て車を乗り換えるのですが、早朝の場合のみ認めていました。

工場長が電話をかけるが、どうやら西井くん、運転中のため繋がらない。

そして約30分後、かかってきた!

「社長、おつかれーっす」

「どうしたんすか?」

「おう、西井くん、おつかれー」

「西井くんさ、昨日会社の車で帰ったよな。」

「途中なんかなかった?」

「えー、あー、ありましたね。。女子高生が自転車で転んで、、」

西井くん曰く、会社に面した道路は夜間、外灯の明かりだけで暗くて幅員も狭い。で、前方を照らすと、自転車に乗った女子高生が確認できたので、ゆっくり近づいた。なんとその女子高生、携帯片手にイヤホンしながらメールしてる。

後ろから抜かすよ、という意味のクラクションを一回「プォン」すると、慌てたのかヨロヨロとバランスを崩して、パタンと車側に転けた。慌てて、車外に出て、女子高生に駆け寄って、「病院行くか」と尋ねたが、大丈夫の一点張り。

怪我の様子もないし、こんな夜中に女子高生と2人きり、という微妙な空気に違和感を感じて、その場を立ち去ったという。

「その女子高生の親さ、なんかヤカラっぽくて訴えるとか言ってんのよ」

「マジすかー、こっちが訴えたいすよ」

「自転車乗りながら携帯にイヤホンで、しかも向こうからぶつかって来たんすよ」

「ま、帰って来たらゆっくり話聞くわ、頑張ってね」

とりあえず、オオタさんに折り返し電話して、直接会って話したい、という旨伝えて、総務の佐野くんと指定された喫茶店に向かった。

今回の目的は、誠意を見せる事。社長自ら直参して謝罪するという事。決して怒らせない。反論しない。安全安心ポジティブな空気作りに徹する。

訴えるとか金品の要求があったり、脅迫まがいなことも想定して、佐野君にはポータブルレコーダーを忍ばせました。

結局、肩透かしを食らうほど良い人で、社長自ら来てくれた事を大変喜んでくれました。

教訓、たとえ状況が軽微でも、事故証明は絶対にとるのが鉄則。
そして報告させる。
通勤の移動中は会社の管理下にあると心がけよ。

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