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社長!裁判所から差押え執行書類が届いてます

出張中に経理部長から電話があった。羽田空港で搭乗の直前だったのでよく覚えている。

なんと、裁判所から差押え執行書類が届いているという。

これには驚きます。いや、驚きを通り越して恐怖です。

長くなりそうだったので、帰ってゆっくり聞くことにしました。

社員が連帯保証人に

差押える内容物は社員の給料。「営業部のT課長の給与4分の1」だった。

てっきり私は会社の資産の一部とか不動産に「差押さえ処分」と書かれたステッカーがベタベタ貼り付けられるのを想像してたもんですから、少しホッとしました。いや失礼。ドキッとしました^^;

T課長は勤続30年で、私よりも勤務歴は長い。それと関係あるかどうかはわからないが、私が会った人物の中で最もプライドが高い。いつも自分をよく見せようと背伸びしている様を痛々しくいつも見ていた。

内線で彼を呼んで、経理部長と3人で話すことにした。

とくに彼に気を使う事はない。単刀直入に切り出した。

「T課長、なんか隠してる事ない?」

ちょっと考えるようなそぶりを見せて、「ああ、おやっさんの借金の件ですかぁ?」

他人事のような素振りにイラっとして、「あのな、裁判所があんたの給料差押えるいうてきとるで!」

書類をバンって、彼の目の前に差し出した。

「ええー!!そ、そんな、、」

いったい何が

T課長の妻の義父は運送会社を経営している。金融機関に融資の追加を求めたところ、応じる代わりに連帯保証人を求めてきた。それに白羽の矢を立てたのが、サラリーマンのT課長だ。

ところが事業がうまくいかないのか、返済が追いつかない。債権者である金融機関からの催促や裁判にも応じず、無視し続けた結果、連帯保証人のT課長の勤め先(会社)の代表者あてに差押え執行通告書が届いた。

 

流れはこんな感じ

 

①妻の父と口約束で連帯保証人に押印した。

②義父は返済ができずに期日が過ぎる。

③債権者(金融機関)から督促状が届く。

④それを無視していると、「残額の一括請求」が届く。

⑤さらに、無視すると債権者は裁判所に請求訴訟を申し立てる。

⑥裁判所から義父に特別送達が届く。

⑦裁判を無視すると、支払い命令が出て判決が下される。

⑧連帯保証人の勤め先(会社)に「仮執行宣言付支払い督促」が届く。

⑨会社の口座からT課長の給与4分の1が差押えられ、全額返済まで続くという仕掛け。

 

はい、取れるところからきっちり取ります。

驚いたこと

裁判所が下した判決は覆る事はない。異議申し立てをする事なく、それを無視した債務者が悪い。

実はこれには驚いたことが二つあって、債務者であるT課長の義父がここまで無視し続けて一切T課長に知らせずにいたという事。

もう一つは、T課長が「義父が約束を破ったから、抗議しに行くので明日有給を取りたい」と申し入れてきた事。

有給を取る事は、社員の権利だ。都合がつくならいつでもどうぞ。そこではなく、連帯保証人の意味がわかっていない甘さに驚いた。

連帯保証人になるということ

連帯保証人になるという事は、その人の債務を引き受けるという事です。その人が破綻しても自分には返済能力があるので、大丈夫という確信があるから引き受けてもいいのです。でも、ほとんどの人はその人が破綻しない前提で連帯保証人を引き受けます。勝手にポジティブな解釈をして押印に応じたのはT課長です。

裁判所から見たことのない文言の書類が届いて周囲に迷惑をかける前に、相談して欲しかったくらいの抗議はするべきでしょうが、連帯保証人になる意味を深く理解しないで、応じた後に「約束が違う」と抗議するのは、自社の社員を前にしてなんだが、未熟としか言いようがない。

押印するなら覚悟しなさい

身近な人に連帯保証人を頼まれたら、凛として断るのは勇気も入りますし、今後の人間関係にも多少は影響するでしょう。でも、嫌われたくない、愛されたい思いで引き受け、経済力があるから大きな会社に勤めているから求めても大丈夫のような、お互い依存しあう関係ってどうなんでしょう。最後に受け皿になるのは、何も知らされず無言のままの会社です。

押印に応じるのなら、その債務は私が引き受けるくらいの覚悟が必要です。自分一人では賄えない範囲の債務なら押印前に「もしものこと」を留意する意味で会社に打ち明けておくのも必要です。

義理のよしみで馴れ合いの依存する体質は、結局誰のためにもなりません。まずは利害関係のない信頼できる人に相談して決めることが重要です。いやいや、その前に連帯保証人になるとはどういうことかはしっかり調べて覚悟してください。

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