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剃刀(カミソリ)と鉈(ナタ)

世の中には「頭のキレる人」が存在します。IQの高さとそれが比例するのかわかりませんが、頭の回転が早く、本質を見抜いて、正解に導くのが早い思考の持ち主、そんな感じでしょうか。

私のイメージでいうと、ドラマの「半沢直樹」の及川光博さんが演じる渡真利忍のような隙がない感じです。事情通で人の動きを観察し歯切れが鋭い。サクサクとした斬り込みの良さは視聴者にはそれがカッコよく映ります。

たしかに、洞察力と論理的な思考力に長けているので「頭がキレる」という印象を与えることができるでしょう。しかし、そのことと「できる人」「一緒に仕事をしたい人」とは同列ではないと思います。「頭がキレる人」はむしろ敬遠されやすいのではないでしょうか。

頭がキレるやつは疲れる

自分の経験で考えてみますと、仕事であれプライベートであれ、相手が鈍感で無関心では困ります。でも、キレすぎても困るというのが私の印象です。正論ではあるけれど自分の言い分が全く通らなかったり、完膚なきまでに論破されたりすると立つ瀬がありません。そういう方と一緒にいると常に神経をすり減らしているようで大変疲れます。できれば距離をとりたいと思ってしまうのは私だけではないようです。

いくら頭が切れたとしても、「この人はキレる」と、相手にそんな印象を与えた時点で、人間関係に支障をきたします。困った時にアシストしてくれるキレるヤツとは少し座標が違います。仕事上で必要なコミュニケーションは、自分の能力を誇示することではなくお互いに話しやすい環境を作ることです。

たとえ相手の主張に欠点があっても、とりあえず「そうなんですね」と相槌を打ちながら聞き続けます。相手が言葉に詰まっても「こういうこと?」と補足して逃げ道を用意してあげることが重要です。

後継者は周りと違う?

高水準の教育を受けてこられた後継者の方は要注意です。有名大学を卒業されて、在学中は留学もされています。好奇心も旺盛で興味の範囲が広く多趣味で知識豊富です。読書量も他より群を抜いてます。しかし彼らは従業員との違いをそれほど認識していません。そのようなキレっキレの後継者や経営者をたまにお見かけしますけど、社内では孤立されてる方が多いようです。社員が後継者である専務に何か提案してもズタズタに斬られて血まみれにされて完全論破されるので誰も怖くて近づけません。

また、そのような後継者や経営者は自分基準で考えますので周りの従業員や役員に「どうしてこんなこともわからないんだ」となってしまいます。その結果、見下した態度になって周りに写ってしまうのです。

トップに立つ経営者のイメージは「剃刀」よりも「鉈」のキレ味です。一見すると鈍重そうで、話も聞き役に回ることが多いです。しかし、本質がズレていたり、良俗を乱したり、自分の信念を否定されたりするとこの「大鉈」をドスンと振るうのです。そういう人の方が人望を集めます。

知識豊富でキレ者なのはいいことなのですが、要はそれを隠し持つ要領の良さと、あと大事なのは後継者自身が育った環境や施された教育は周りとは違うと言うことを認識すべきです。これは重要ですよ。

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