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菅新総理に学ぶ事業承継

2020.09.27

事業承継

菅内閣が発足して2週間がたとうとしています。7年9ヶ月目の安倍内閣の誕生などと揶揄されてきた面もありますし、掲げた5つの公約も以前より変わり映えしない印象です。波風立てず、余計な期待感を持たせず、安倍首相から菅新首相にさらりとバトンが渡されたと感じております。

その結果、ご祝儀期間ということもあってか野党からの批判も控えめで、海外の反応も穏やかです。独自色が見えず不安を感じる面はありますが、継承するのになにも奇をてらう必要なんかありません。

世襲ではないたたき上げの菅新総理の内に秘めた想いを露呈せず機を見ながら今は静かに穏やかにスタートさせているようにも見えます。時間をかけて、その機を待つ姿勢は徳川家康の気風も感じます。

農家の出稼ぎ総理

ご存知の通り、菅新首相は秋田の農家出身で、上京してダンボール工場で勤めたあと政界に進出。じわりじわりと頭角を表しはじめてついに頂点に立ったという輝かしいサクセスストーリーがあります。

起業家が大成功して煌びやかな舞台に上がるサクセスとは違う、どちらかというと出世街道をうまく渡ってきた人で、特に人間関係や場を読む空気に卓越した能力をお持ちの方なんだと感じております。官房長官時代の記者とのやりとりを観ていて冷徹でユーモアの欠けた人だとネガティブな印象を持っていましたが、それも計算済みだったのかもしれません。

官房長官の仕事は正確に伝えるべきは伝え、それ以外は忖度することです。私情や主観を挟むことが政権に与える影響を誰よりも知る人です。「忖度しながら自分の想いは貫く」という人柄が垣間見えます。

トップが変わる時

政界だけではなく、新旧交代の場面は日常のどこにでも見られます。経営者の交代はもちろん、商工会議所の会頭の新旧交代やPTA役員の交代、さらに町内会の役員なんかもそうです。どんな組織でも小さな集会でもトップが変わる時の空気があります。旧体制への名残と新体制への期待と不安が混ざり合う特有の空気です。

どれほど優秀な人が跡を継いでもやはり期待と不安は拭うことはできません。期待に応えようと独自路線に活路を求め周囲の注意を集める方は、うまくいけばいいのですが、そんなに結果はすぐに出るもんではありません。お祝儀相場でしばらくは周りも忖度してくれますが、そのうち不安要素が顔を覗かせると、周りから疎んじがられ、批判されるというのが私の印象です。

そんな時はやはり独自色を抑えつつも、穏やかに旧体制を守っていく人に信頼が集まります。

後継者が先代からバトンを受けるとき

事業承継は信号機のない横断歩道をわたるようなものと例えています。後継者が先代や役員、株主、それから専門家などとともに手を繋いでわたるのが成功する要因とお伝えしています。(もちろん先代の急逝など特殊な場合はこの例えは当てはまりません。)

そこで、よくやりがちなのが後継者が独自路線を出そうとエキセントリックな行動に出てサプライズ人事や夢のようなビジョンを語って周囲を驚かしてみたりするもんです。

改革したい想いと焦りがそうさせてしまうのはよくわかりますし、それを否定するわけではありません。やり方、順序の問題なんです。

後継者はスロースターターの方がうまくいく?

ド派手に大改革から入ってうまくいくパターンもレアケースですがあります。政界で例えると小泉内閣。「自民党をぶっつぶす!」で一躍脚光を浴び支持率は80%近く行きました。政界の変人とまで言われ、改革の影では多くの爪痕を残し、その後野党に政権が渡り低迷した時期がありました。それを小泉内閣よろしく中小企業の後継者が大改革と言わんばかりに旗を振り回した日にゃ何をか言わんやですよね。そうなると周囲はそんなパフォーマンスを繰り広げる後継者に対して、先代が築いた実績や人生まで否定する様子に映ることになりかねません。

菅新首相のように独自色は見えずにイライラと不安が交差する気持ちもありますが、それくらい控えめくらいでじわりじわり行くほうが信頼を得やすい。様子を見ながら独自色を出していくのがいいようです。

来年9月末までの1年の間、自民党総裁選にどのようなカードを切ってくるのか、たたき上げの派閥を持たない野武士総理の独自色がどう出るか不安と期待が交錯します。

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