デジタル社員を採用する

2020.12.26

人間の業務とデジタル社員の業務を分けて考える。

経営者はこの変遷を敏感に感じないといけません。

 

日本人は江戸時代より、

与えられた条件の中で工夫を凝らしながら、

コツコツと努力を重ねることを美徳としてきました。

当時、石高制が取られていた日本では、

土地の広さや質ではなく、

そこで収穫できる穀物量が年貢の基準であって、

その土地の大名の地位の高さになっていました。

 

歴史のある会社であれば、

業務の中にはルーティンと呼ばれるものが、

いくつかあるのではないでしょうか。

 

例えば、新入社員が上司から引き継いだ業務を愚直に倣い、

コツコツ工夫を重ねることで効率化し、自分の仕事として定着し、

会社ではできる新人と評価され、

それに喜び慣れてきたこともあり、

過去からのやり方そのものを疑問視する課題発見意欲から疎くなり、(いわゆる思考停止)

その結果、非合理的な単純作業が当たり前の風景になっていく。

 

今、終身雇用・年功序列という制度が崩壊し、

少子高齢化で労働力が不足する中、

この状況がどこまで続くのでしょうか。

 

いったん慣れた仕事に従事する社員は思考する努力を怠ります。

いや、その努力が自分の首を絞めることを知っているので、

課題解決から逃げようとするのです。

 

そこで、慣れて飽きてしまうルーティン業務はデジタル君にお任せです。

キャリアパスを用意する必要もありません。

もちろん福利厚生など不要で、

メンテナンスの時間以外は、

24時間365日働かせることもでき、

ミスもしません。文句も言いません。

 

こんな試算があります。

平均的な初任給を得ている新入社員を、

24時間働かせ続けたらどうなるか。

最初の1ヶ月間で、

その新入社員には深夜残業代も含め、

約111万円にものぼる給料を支払うことになります。

 

しかし、実際にはそんな事態に陥らないでしょう。

なぜなら、その新人が働き始めて6日目の朝8時を迎えた時点で、

労働基準法違反で経営者が罪に問われることになるからです。

人間しかできない業務、デジタル社員に任せる業務。

切り替えの準備が必要です。

「デジタルレイバーが部下になる日」著 池邉竜一