裁判を傍聴したことありますか

2020.12.30

私が裁判を通して気づいた感想を語っています。

 

裁判を傍聴したことがあるかと尋ねると、

たいがいの人は「ない」と答えます。

 

それだけではなく、

「そんなに暇じゃない」とか

「自分に関係のない裁判見たってつまらない」

そうやって訝しく思われるのが常です。

 

自分もそうでした。

あの日までは。

 

実は、

私、前社で贈収賄事件に関わった事があります。

水道施設工事の元請で現場代理人を担当した時、

市役所の工事監督が下請業者に金品を要求し、授受していた。

複雑なので、割愛します。

断っておきますが、

当事者ではなく参考人として捜査に協力しました。

 

自分が関わった事件なので、

その経緯が知りたくて毎回傍聴しました。

地元では大きな事件だったので、

ニュースに取り上げられ、

初公判は満席で、

結局、傍聴できずに悔しい思いをしました。

 

次回の期日を知りたくて、

恐るおそる裁判所に電話してみました。

なんと、

拍子抜けするほど淡々と丁寧に教えてくれます。

まるでお店に在庫を確認するようなお手軽なのには驚きました。

 

実際の傍聴も身体検査や身分証明など、

めんどうな手続きは一切なく、

映画を見る感覚で傍聴できます。

もちろん無料。

駐車場も入口で守衛に「傍聴です」で無料です。

 

裁判所1階のカウンターに、

当日の裁判期日表というファイルが置かれており、

時間と被告人の名前と罪名、

部屋番号を確認して、

そのまま入室して裁判長が来るのを待ちます。

 

裁判長に一礼して、

淡々と機械仕掛けのように裁判が始まります。

人定質問〜冒頭陳述〜証拠調べ

一応の流れが終わったら、

次回期日を決める。

 

この期日の決め方が機械的な裁判とは対照的で、

私には衝撃的でした。

その場で裁判長と検察官と弁護人の3人で決めるのです。

それぞれ予定帳取り出して、

「あーその日は全日アウトです」

「3時ならオッケーです」

「じゃ何日の何時で」

まるで飲み会の時間を決めるそんな感覚ですよ。

被告人の予定が一切無視されてるところは地味に笑えます。

 

せっかくなんで毎回、

私が目的とするの裁判の前後に行われる裁判も傍聴しておこう、

そう思いまして、

様々な事件を目の当たりにしてきました。

婦女暴行

強制わいせつ

窃盗

教唆煽動

住居侵入

たまに殺人

で、

何よりダントツに多いのが、

覚醒剤事犯です。

本当に多いです。

ほとんどが再犯なのも多い理由の一つです。

 

どの覚醒剤事犯の被告人も、

見た目は普通の人。

スーツ着てたら、

どこにでもいる普通のサラリーマン。

そういえば、

知的障害者で生活保護もらってる覚醒剤被告人もいました。

まぁ、いろんな人生があるんだな、と。

 

当時、中学生だった息子を連れて傍聴に行ったこともありました。

そこで見た裁判は今でも忘れない。

 

覚醒剤所持で捕まった正義感の強い男の裁判

その正義感の強い男には、

シャブ中の友人がいる。

その友人に覚醒剤をやめさせたいと思ったその男がとった行動は、

売人を呼び出して「二度と友人にクスリを売るな」

と説教した。

その売人も納得したが、

「ガキの使いじゃない。このまま帰れない。

持ってきた分は買ってくれ」

と懇願された正義感の強い男は、

いさぎよく買って、

なんと、そのまま警察署に行って提出した。

当然、

覚醒剤所持の現行犯で逮捕される。

息子と2人で笑いをこらえた裁判だった。

 

検察官も事件の内容で担当が変わる。

窃盗や強制わいせつなど

被害者と加害者がはっきりしていて、

被告人も争わないとしているものについては、

新人検察官(若くて美人)が担当する事が多いのです。

 

ある強制わいせつ事件を、

若い美人検察官が担当した時の話。

ある男が女子大生のマンションに、

忍び込んでわいせつな行為をしたというもの。

生々しく事実を証明していくので、

どうしても卑猥な単語を使わなくてはならない。

卑猥な単語と法律用語を織り交ぜながら真顔で話す

美人検察官の姿がすごくシュールで、

笑いを堪えていたら、

証拠調べをするその美人検察官と、

一瞬目が合った。

「私も仕事なのよ!」

っていう目で睨み返された。

あれは怖かった。

 

それにしてもこの裁判所に傍聴に通ったおかげで、

ずいぶん司法の勉強をさせてもらった。

 

人が人を裁いて刑に処する。

この一連の流れは法学部に行かないと、

学ぶ機会はないでしょう。

 

人生何が起こるかわからない。

自分が原告や被告人になる日が来るかもしれません。

原告が自分で、

被告人が自分の家族や兄弟になる場合も、

事業承継の世界では珍しいことではありません。

 

京都地方裁判所は様々なことを教えてくれた。