2020.12.30
役員にクーデターを起こされ、
会社から追放されるまで、
誰もいない社長室で、
ひとり私物を段ボール箱に詰める。
私物には大量の書物があった。
良書や古典、入手が極めて困難なレア物。
段ボール5箱分に詰め込んで、2階の倉庫に保管した。
また、最終日に取りに来ればいいと思っていた。
いや、そのうち数年経ったら戻って来るだろう、
そんな軽い気持ちで倉庫に持って上がった。
結局、2度と戻ることはなく、またその価値を知られることもなく、
倉庫の片隅で封印されることになってしまった。
今思えば、持って帰って来ればよかった。
その中にはまた読み返したい良書や貴重な本が少なくない。
私物を段ボールに詰める作業はつらい。
これはやった人でないとわからん感覚だと思うんです。
引っ越しとは違う。
なんて言うかな、
ひとつひとつの思い出を消していく作業に似てるかな。