事業承継のバイブルはこれだ!

2021.01.13

シェイクスピアの四大悲劇「リア王」をご存知でしょうか。

「ロミオとジュリエット」なら知ってるという人は多いでしょう。

「ハムレット」

「マクベス」

「オセロー」

「リア王」の四大悲劇作品の中でも、

最高傑作と評価が高い「リア王」は、

現代でも通じる事業承継の本質が書かれたバイブルなのです。

 

400年以上も前に書かれた古典的文学を目にすると、

冗長で小難しい比喩表現が多くて、

何より登場人物が多くて、

うわああってなりますよね。

でも、このシェイクスピアの作品は、

劇場で使用される脚本形式になっているので、

文中迷子になって、どこかに行ってしまうことはありません。

 

あらすじ

80の齢を過ぎた老王リアは引退を決意します。

3人の娘に財産を分配するのですが、

自分に高い敬意をはらうものに恩恵を与えようとします。

二人の姉は言葉たくみに父リアを喜ばせますが、

三女は歯に絹着せず、実直に苦言を呈します。

それに父リアは激昂し、三女を勘当します。

そして二人の姉に財産を全て渡してしまうのですが、

ここからリア王の悲劇が始まります。

財産目当ての娘婿が加わり、

ついにリア王は娘夫婦から追放されてしまいます。

国の頂点から乞食に転落したリア王は、

まさにどん底。動物同然の生活を強いられ、

そこで初めて、士族としての虚飾に目覚め、

三女の愛に気がつきます。

そして姉夫婦は権力争いで悲惨な末路を迎え、

リア王も自分にかけた贖罪に耐えきれず、

発狂し、自死するのです。

 

 

遺産相続の憎悪をテーマにした読み物は多いです。

娘と娘婿が結託して親を追放する話は現代でもそこらじゅうにあります。

むしろ「ありふれた日常」かもしれません。

この時代(前述しましたが、400年以上前です。日本では天下分けめの関ヶ原です)

に権威や金、盲目なまでに従属する娘と娘婿の姿が見事に書かれています。

文明や文化がこれほど変わってしまった現代社会にあっても

人間の本質は変わらない。

本質は変わらないので、事業を営むことや、先代が築き次世代に託すという

一連の流れに残される課題も今も昔も変わらない。

事業承継に税務や法務の知識はないより、あったほうがいい。

でも、その前に知るべきことは「本質」ではないでしょうか。

 

いつの時代も、

伝票処理や見積りをAIがやってくれる時代でも、

自動運転が可能になり車でお酒を飲みに行く時代がきても、

人生や自然の摂理は何も変わらないといううこと。

この作品は先代から承継する非条理さや、

親子の感情のもつれを嘆くことを伝えているのではありません。

小宇宙としての人間と自然の摂理です。

 

子を愛し、その愛した娘や娘婿に裏切られ、

非人道的な娘夫婦がわがもの顔で跳梁し、

人生の理不尽を露呈している。

しかし、このような悲劇に対しても「救い」はある。

虚飾と迷いから生じたリアの失敗が、

雄大、悲壮、美を一身に備えた姿に昇華させます。

 

救いようのない失敗からリアという国王が人生の最期に経験した、

人生の究極の目的、人生の大切なものを会得する域に達成しました。

親であっても自分以外の人が築いた富を、

時間や労力を犠牲にせずに享受する理不尽は、

自然淘汰の原理に基づき自己自滅により淘汰されるということも本書では伝えています。

 

こんな言葉を思い出しました。

父親から受け継いだものを、

もう一度自分で築き直す必要がある。

そうしなければ自分のものにはならない。

−ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ